今回は近年では珍しくなくなったオープンワールド形式のゲームのメリット・デメリットを紹介したいと思います。
結論から述べると、以下のようになります。
メリット
- 行動の自由度・没入感の高さ
- 人それぞれのゲーム体験を提供できる
- 探索・冒険型のゲームとの相性は抜群
- ダイナミックに移動できるゲームとの相性は抜群
デメリット
- 移動の手間が増える
- 背景の変化が乏しい
- 選択肢が多くて混乱しやすい
- フィールド密度が低くなりがち
- ストーリー主体のゲームとは相性が悪い
- (ハードの性能を要求される)
以下、詳しく紹介していきます!
オープンワールドゲームの定義
オープンワールドの定義は様々だと思いますが、ここではメインとなるマップがシームレスでロードなどのマップの切り替え処理が無いゲームのこととして話を進めていきます。
オープンワールドゲームのメリット
自由度・没入感の高さ
オープンワールドゲームと言えば自由度の高さが象徴的だと思います。
昔はハード性能の制限により実現できなかったことも、今ではクリエイターの望んだ通りのことが実現可能になってきています。
今までは背景に過ぎなかった場所も、実際にそこまで足を運べるので、ゲームの中の仮想世界の没入感が飛躍的に増しています。
川や住宅、切り立った崖や立派な建造物など、昔のゲームでは想像の範囲でしか遊べなかったゲームの背景の場所に実際に訪れることが可能になり、遊びの幅も大きく広がりました。
リニア式・箱庭式のゲームはマップが変わる度にゲーム体験がぶつ切りになってしまいますが、画面の暗転無しでずっとプレイできるオープンワールドはゲームの世界にのめり込みやすいです。
ゲーム体験は十人十色
オープンワールドだけの特徴ではないですが、基本的にリニア式のゲームに比べてクリアまでの道のりがみんな異なるといった特徴があります。
代表的なところで言えばゼルダの伝説ブレスオブザワイルドが有名ですが、大筋のメインストーリーは決められていても、サブクエストや寄り道要素が無数に用意されているので、みんなが同じ順番で攻略することはほとんど無いでしょう。
そういった意味で同じゲームでもオープンワールドでは出会う敵の相対的な強さやストーリークリアまでの時間などが人によって全く異なってくることが多く、ゲーム体験に違いが生まれます。
これは購入者のターゲット拡大にも繋がる面があると思います。
広大なマップを探索・冒険するワクワク感
(2024/2/15追記)
オープンワールドのゲームは探索・冒険型のゲームと非常に相性が良いと思います。
複雑な地形や広大なエリアに様々な隠し要素が配置されているので、プレイヤーとしては新しいエリアを探索するのに非常にワクワクします。
また、隠しアイテムなどだけでなく新エリアそのものを発見したときも、未知の場所を冒険している感覚を味わうことができて非常に楽しいんですよね。
オープンワールドゲームなら遠くの背景まで含めてあらゆる場所が冒険の舞台となるので、制作側としてもいろんな道筋を想定しながら要素を柔軟に配置することができます。
一方、決まった方向に進んでいくリニア式のゲームだと探索させるには制約が大きいですよね。
リニア式のゲームではせいぜい少し道から少し外れる程度にしか隠し要素などを配置できませんし、プレイヤーが必ず同じ方向から来ますから、死角になるような不自然な隠し方をすることが時には求められますし。
↓Switchを代表するオープンワールドゲームの傑作「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」のレビューを公開しているので、こちらもご覧ください↓
ダイナミックに移動できる楽しさ
(2024/2/15追記)
リニア式のゲームや箱庭式のゲームでは、どうしてもマップの規模が小さいので、自由に動き回れるようなゲームとの相性は悪いです。
しかし、マップが延々と繋がっているオープンワールドゲームなら飛び回ったり・壁を走り回ったりと行動の自由度が高いゲームのポテンシャルを100%活かすことができます。
代表的なゲームで言えば、画像にも使わせて頂いているスパイダーマンシリーズやジャストコーズシリーズなど。
これらのゲームではかなり縦横無尽に立体的に飛び回ることができるので、オープンワールドゲームのマップの広さを有効に活用している良い例だと思います。
実際プレイしてみると分かりますが、ファストトラベルを使うのがもったいなく感じるほど、移動するのが爽快感抜群で心地良いんですよね。
オープンワールドゲームのデメリット
移動の手間が増える
個人的にオープンワールドといえばこのデメリットがまずは思い浮かびます。
とにかくマップが広大なので、どうしてもオープンワールドゲームをプレイしていると、プレイ時間の大半を移動時間に費やすことになると思います。
そのため多くの人気オープンワールドゲームでは、楽しく豊富な移動手段を用意することでこのデメリットを解消する策がとられています。
とはいえ、時には果てしない道のりを移動しなくてはならないこともオープンワールドでは多いので、それが楽しさにも繋がる一方で、面倒臭さもしばしば感じてしまいます。
背景が変化しにくい
個人的にオープンワールドの大きなデメリットだと思うことは、背景の変化が乏しくなることが多い点です。
ステージごとに区切られたゲームならば、ステージ毎に背景を自由に変えることができますが、オープンワールドの場合どうしても長距離を移動しない限り同じオブジェクトが視界に入り続けるので、変化が乏しくなってしまいます。
僕はゲームにおいて景色を楽しむのも1つの醍醐味だと思っているので、この点は割と重要だと思います。
選択肢が多いことはデメリットにもなりうる
オープンワールドゲームの多くは自由度の高さを宣伝にしています。
実際空を飛び回れたり、家の中まで探索できたり、一見ただのオブジェクトに見えるものにも干渉できたりと、自由度の高さは多くのゲームジャンルの中でもトップクラスだと思います。
しかし、どこにでも行ける、操作を覚えればなんでもできるというのは必ずしも万人受けするわけではありません。
どこへ行くべきか明確でなかったり、できる行動が多いのはプレイヤーを混乱させる原因にもなります。
フィールドの密度が低くなりがち
オープンワールドはマップが広大であると同時に、スカスカな場合があります。
例えば、ジャストコーズ3などは良い例かもしれません。
干渉できるオブジェクトがなく、草原や荒れ地が延々と続いているゲームも珍しくありません。
技術的な進歩によりマップを広くできるようになったものの、開発費は有限ですからどうしても無駄なスペースが多くなってしまうのがオープンワールドのデメリットの1つだと思います。
ただ、例に出したジャストコーズ3の場合はかなりダイナミックに移動を楽しむゲームなので、何もない空間が広いのも一概に悪い点とは言えません。
ストーリー主体のゲームとは相性が悪い
オープンワールドゲームはゲーム体験を人により異なるものにできるメリットがある反面、長い1つのストーリーを提供したい場合には不向きだと思います。
例えばブレスオブザワイルドでは、メインストーリーの4つの神獣を開放するストーリーがありますが、これらはそれぞれが独立したストーリーになっているので、ストーリー同士の関係性は殆どありません。
小さな4つのストーリーを順番に関係なく楽しめるのはメリットでもありますが、何か伏線を用意したり、重厚なストーリーを提供したい場合は1本道のゲームの方が、開発者が意図した通りの体験をしてもらう上では適しています。
ハードの性能を要求される
オープンワールドゲームはゲームハードの性能の進化とともに一般的なものとなりました。
これは当然、オープンワールドゲームは処理負荷が大きいことを意味しています。
特に個人的に必要だと思うのはメモリとストレージの速度と大きさです。
広大なマップを一度に表示するのでメモリ(=机の広さ)が必要になりますし、情報量が大きいので収めておくデータ量も当然大きくなります。
そしてロード時間やプレイ中の読み込みも障害になり得るので、それらの転送速度も重要になってきます。
ただ、ハードの性能に関しては近年の家庭用ゲーム機やPCの性能を考えるともう既にデメリットではないように思います。
まとめ
メリット
- 行動の自由度・没入感の高さ
- 人それぞれのゲーム体験を提供できる
- 探索・冒険型のゲームとの相性は抜群
- ダイナミックに移動できるゲームとの相性は抜群
デメリット
- 移動の手間が増える
- 背景の変化が乏しい
- 選択肢が多くて混乱しやすい
- フィールド密度が低くなりがち
- ストーリー主体のゲームとは相性が悪い
- (ハードの性能を要求される)
デメリットの項目の方が多くなってしまいましたが、それらを無視できる程に、自由度の高さや没入感の高さはゲームにおいて魅力的な要素です。
今後もオープンワールドのゲームの割合は増えていくでしょうから、さらなる魅力的なゲーム体験に期待したいですね。
↓これまで様々なオープンワールドゲームのレビューを投稿しているので、ぜひあわせてご覧ください↓
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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