今回は個人的に3DSで一番のお気に入りの作品「ファンタジーライフリンク!」をレビューしていきます!
世界観やゲーム性の完成度も素晴らしい傑作なのですが、新規のシリーズということもあり周りで遊んでいる人がほとんどいませんでした。
そんな中、2023年2月の任天堂ダイレクトで新作がついに発表されたのが非常に嬉しくてリアルに涙が出たので、このタイミングで記憶を呼び起こしてレビューすることにいたしました。
2023年の今でも自信を持っておすすめできる作品となっているので、その魅力を今回の記事で伝えていきたいと思います!
参考までに、全ライフをゴッドまでやり込んで、レベルも上限の200までプレイ済みでのレビューになります。
どんなゲーム?
ゲーム内容
本作はファンタジールと呼ばれる平和な世界で暮らす主人公の家に、突然降ってきた隕石をめぐるなぞからストーリーが始まります。
本作にはメインとなる隕石にまつわるストーリーの他に、ライフという職業ごとのストーリーも用意されていて、自分のペースで両方のストーリーを進めていくことができます。
ライフは12種類あり、戦闘系・収集系・製作系があります。
始めから好きなライフを選ぶことができますし、途中でいつでも変更することができるので、自分の気分次第で色んなライフを経験できます。
隕石をめぐる冒険と、ライフによる主人公の成長、2の面でストーリーを進めていきます。
ゲームジャンルとしては、見下ろし型の3DアクションRPGですので、3Dゲームなどでカメラ操作が苦手、若しくは酔いやすい方でも問題なく遊ぶことができます。
ゲーム概要
発売日 | 2012年12月27日 |
対応ハード | 3DS |
ジャンル | RPG |
推定クリア時間 | 20時間 |
発売元 | レベルファイブ |
良かった点
優しい世界観
本作の世界観を一言で表すと、「やさしいせかい」です。
ふしぎなちょうちょと出会うところから大筋のストーリーが進んで行きますが、ファンタジーゲームにありがちな重たい空気感や設定というのは全くなく、一般的な住人はもちろん、一国の主ですらどこか抜けていてフレンドリーな接し方なのです。
本作にはライフごとの別のストーリーに加えて、本筋となるストーリーが存在しますが、壮大な話なのに暖かみがあり、神秘的だけど親近感の湧くような、新鮮なのにどこか懐かしい不思議な世界観のストーリーを体験することができます。
なので、全人類にこのほんわかした世界を味わってもらって、心を浄化していってほしいですね。
充実のやりこみ要素
本作はRPGということで、数多くのやりこみ要素があります。
レベル上げ、サイドクエストの攻略、アイテム収集、武器や防具の強化などあげだしたらキリがありませんが、本作で特筆したいのは「ライフ」の存在です。
上でも紹介した通り、本作には12種類のライフ(職業)があり、いつでも自由に選択することができます。
ライフごとにマスターの元で腕を磨いていくことになりますが、それぞれ固有のストーリーやクエストが用意されているので、計12種類ものストーリーを体験することができます。
もちろんストーリーを体験できるだけでも十分に濃い体験ができるのですが、本作はライフごとの繋がりが重視されていて、なにかのライフで成長した状態で他のライフを始めると相乗効果が生まれるんです。
せっかちな僕は最初1つのライフのみでエンディングまでクリアしてしまったのでちょっと醍醐味を体験するまでに時間がかかりましたが、例えば最初魔法使いのライフを選んでいたとします。
魔法使いとしてある程度成長していくと当然強い武器が欲しくなりますよね?
そこで大工のライフにチェンジして、大工としての腕を磨いていくと、魔法使いの杖を作ることができるようになるんです。
基本的にファンタジーライフの世界はDIY至上主義で、自分で作ったものの方がクオリティが高く性能が良いので、魔法使いとしてより強くなるためには大工のライフの力が必要不可欠なんです。
そして、大工での作業に必要な素材を集めるのには木こりの力で木材を集める必要があり…と言った具合で、全てのライフが繋がっているんです。
こうして聞くとわざわざ別のライフを進めないとクリアできないゲームだと思い敬遠されてしまうかもしれないですが、そんなことはありません。
ちゃんと武器を購入したりすることもできるので、十分クリアまで1つのライフでストーリーを楽しむこともできます。
あくまで更に上を目指すなら、別のライフの力が必要になるということなんです。
やりこみ好きの人ならばきっとより良い武器や防具が欲しくなるはずですし、それぞれのライフを楽しみながら気づいたら別のライフにも活かせる能力が身に付いているので、ついつい別のライフも極めたくなってしまうんですよね。
相乗効果が生まれることによって、最初は無理だと思っていたいろんなことがどんどんできるようになっていくのはすごく楽しかったです。
ちなみに、筆者はこのゲームを250時間以上プレイしていますが、「みんなからのおねがい」など一部の要素はコンプリートできていません。
お使いのようなクエストも多いので完璧にこなす必要性は薄いですが、やりこみ要素のボリュームが凄く多いことは確かですね。
広大で多彩なオープンワールド
本作は境目でロードが入るので厳密にはオープンワールドとは言えないかもしれませんが、3DSのゲームとしては珍しくオープンワールド式に近いマップを採用しています。
その広さも驚くほど広大で、多彩な景色を見せてくれるので冒険心がくすぐられます。
草原や洞窟、火山や雪山、砂漠、未開の地など、3DSのゲームでこれだけボリュームのある世界を冒険できるゲームはそうそう無いと思います。
また、大型追加コンテンツとして「はじまりの島」が追加されたことで、もともとすごかったボリュームが更に大きくなりました。
はじまりの島ではそれまでとは比較にならない強敵がはびこっているので、さらなる自身の強化が必要になりますが、その分攻略できた時の達成感は素晴らしいです。
ちなみに、見下ろし視点のゲームで回避やジャンプといった複雑なアクションは存在しないため、3Dアクションゲームに慣れていない人にも自信を持っておすすめできます。
その分、モンスターハンターみたいにシビアな駆け引きを求める人には向いていないかもしれません。
歯ごたえ抜群の戦闘系&収集系ライフ
本作には戦闘系・収集系・製作系と様々なライフがありますが、その中でも僕が楽しいと感じたのは戦闘系と収集系のライフです。
戦闘では敵を倒すのが達成感にも繋がりますし、収集系も一見地味に思われるかもしれませんが、木や魚、鉱石にも体力ゲージのようなものがあり一筋縄では採集できないようになっているんですよね。
どちらも強力な敵や大木・魚のヌシなどは強力な装備がないと対抗できない難易度になっているので、王道のファンタジーRPGらしい歯ごたえのある戦闘や採集を楽しむことができます。
今までは存在は知っていてもスルーしかできなかった強力な敵やアイテムを攻略できた時の喜びはひとしおです。
アクションRPGならばどのゲームにもなにかしら戦闘の楽しみはあると思いますが、本作の難易度などのバランスはすごく良くできていると思いましたね。
ただ、めちゃくちゃ難しいかと言われるとそうではなく、しっかり準備していけばゲームが苦手な人でも十分最後までクリアできる難易度ですのでそこは安心してください。
どうぶつの森みたいなスローライフ要素も
本作は戦闘や採集に切磋琢磨するだけでなく、ファッションや部屋の模様替えといったオシャレを楽しめる要素も満載です!
ゲーム進行に影響があるわけではありませんが、見栄えやファッションを気にする人にはかなり重要な要素ではないでしょうか。
本作には戦闘用の防具だけでなく、見た目重視のオシャレな服装もたくさん用意されています。
もちろん自分で作ることで種類の幅も広がるので、自分だけのオリジナルのコーディネートを楽しむことができます。
また家具も驚くほどたくさん用意されているので、性能は変わらないものの、帰ってきた時自宅がオシャレだと冒険する時のモチベーションもとても高まります。
ストーリーを進めると服の色を変更できたりもするので、こだわりたい人もきっと自分のお気に入りが見つかると思います。
流石に本家とも言えるどうぶつの森シリーズには若干劣るでしょうが、冒険の息抜きとして見れば物凄く豪華な内容で、本作の目玉要素の1つとも言えます。
ファストトラベルや移動手段が秀逸
今でこそオープンワールドゲームにファストトラベルや馬などの移動手段を快適にする要素が多いのは当たり前になりましたが、本作が発売されたのは2012年です。
2012年と言えば携帯ゲーム機ではまだそれほどオープンワールドゲームが活気づいていた頃ではありませんから、本作の完成度の高さには驚かされます。
自宅や各地の別荘・マスターの元・ギルドなど、さまざまな場所がファストトラベルの地点に設定されていることから、マップが広くてもそれがストレスになる場面はそうそうありませんでした。
まあゲームの序盤はファストトラベルできる場所が限られているので移動が億劫な時もあったのですが、後半になると色々な場所に直接とべるようになるので配慮が行き届いていると思いましたね。
また、挙動は同じですが色々な動物の乗り物が用意されているのも面白かったです。
馬や亀、ラクダなどに乗って移動すると少し速くフィールドを移動できるので便利でしたし、自分の持っている鞍などで動物の見た目をカスタマイズできるのも楽しかったです。
今のゲームと比較すると特別取り上げるほどのことでもないかもしれませんが、当時の携帯機向けゲームとしては配慮の行き届き具合がワンランク上だったように思います。
惜しい点
単調な作業の製作系ライフ
本作には大きく分けて戦闘系・収集系・製作系の3つの種類のライフがありますが、その中でも生産系のライフが最も多いです。
武器や防具、アイテムや料理、家具を自作できるので便利なライフではあるのですが、ちょっと遊び方の部分は単調だなと思いました。
まあ良く言えば覚えることが少なくて良い面もあるのですが。
製作系のライフでは基本的に各地の作業台でものづくりをしていくわけなんですが、プレイヤーの操作としては、タイミングよくAボタン・Aボタン連打・Aボタン長押しの3つの操作しか要求されないんですよね。
これが1つや2つのライフならまだいいんですが、流石に数が多いので同様の作業をすることに飽きてきます。
一応オートで作業してくれるモードもあるのですが、ある程度生産数のあるアイテムにしか使えませんし、自分で操作するよりもクオリティが低いものになってしまうので使い所は限られます。
生産系のライフの操作を一括りにせずに、もっと色んな操作や遊びを要求された方がこの部分に関しては飽きが来なくて良かったかなと思いました。
格差がありすぎる味方キャラ
本作は2人まで味方を連れ歩くことができます。
主に戦闘の手助けをしてくれる役割で、バトルを開始すると勝手に動き回って一緒に戦ってくれるので、特に一人で遊ぶ人にとってはとても頼もしい機能です。
しかし1つ欠点があり、それは味方キャラの性能差があまりにも大き過ぎることです。
普通色んなキャラを味方にしてほしいから、立場が違えどある程度同じような性能を設定するのがこの手のゲームには多いと思うのですが、本作はここは少し調整不足だったかなと思います。
というのも、基本的にストーリー後半、特に大型アップデートで追加されたキャラクターの性能だけが突出して強く設定されてしまっているんですよ。
特に代表的なのが女神やマスター達。
彼らの戦闘能力は下手をしたら最終強化をしたプレイヤー自身を凌ぐほどに強力で、いくら終盤で仲間にできるキャラとはいえどゲームバランスが若干崩壊しているように感じました。
こんなに強いならプレイヤーに頼る必要無かったのでは?
彼らを連れて歩くだけで、ほとんどの地域のモンスターは瞬殺されていきます。
大型アップデートと同時に、既存の味方キャラやモンスターたちにもテコ入れがあればよかったのですが、味方キャラの性能に関しては最終的に歪なバランスになってしまった気がします。
おわりに
本作は発売前から興味津々で子供ながら親に懇願して予約購入したほどのゲームで、予想を上回るほどの神ゲーでした。
本作を遊んだのはもう10年以上も前になりますが、今遊んでも全然色あせない魅力のあるゲームだと思っています。
3DSのダウンロード購入が今後できなくなってしまうのが惜しいですが、新作の発売も控えているので、この記事を観て興味を持っていただけたら是非購入してみてください。
きっとファンタジールの住人になりたいと思ってしまうほど、魅力的な世界が気に入ってもらえると思います!
3DSで現状一番のお気に入りタイトルなので、もっと多くの人に魅力を知ってもらえたら幸いです。
総合評価: 100点/100点
プレイ時間: 約276時間
ながながとした記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただき誠にありがとうございました!
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