今回はSwitchの人気TPSであるスプラトゥーン3をレビューしていきます。
以前から結構気になっていたんですけど、個人的にはオンライン対戦ゲームにかなり抵抗感があったのでずっと購入できないでいました。
しかしふとした気分で試しに購入してみた所、これが予想以上に熱中してしまいました!
今回はそんなスプラトゥーン3の魅力を、オンライン対戦ゲームが苦手な筆者でも楽しめた理由も含めて紹介していきます。
ゲーム概要
発売日 | 2022年9月9日 |
対応ハード | Switch |
ジャンル | TPS |
推定クリア時間 | 約10時間(ヒーローモード) |
開発 | 任天堂 |
良い点
心地良い操作の手触り感と特徴的なアクション性
ブキにもよりますが、基本的に操作感はかなり軽快な部類のTPS(三人称視点のシューティングゲーム)となっていて、スピード感のあるアクションが楽しめます。
攻撃が敵に当たった時の効果音やインクの中をスムーズに動き回る操作性なども心地良く、動かしているだけでも楽しく感じました。
自分のインクを塗った場所ではイカ状態で潜ることで素早く移動でき、逆に相手のインクで塗られた場所では動きが鈍くなりダメージも受けるので、足場を上手く確保しながら戦うことがこのゲームの基本です。
普通のシューティングゲームだと基本的には敵やオブジェクトに攻撃する時だけ銃を使いますが、スプラトゥーンではより広く足場を確保したり相手のインクを塗り返すのにも銃(ブキ)を使うので他のゲームよりもブキで撃っている機会がとても多いのが特徴で、あちこちに乱射して塗りまくっているだけでも楽しいです。
またステージはそこまで広くない箱庭型でブキの射程も比較的短射程なものが多く、速い動きで一気に間合いを詰めることもできるので、一応シューティングゲームではありますが遠方からの狙撃と言うよりも至近距離で撃ち合いをすることが多いゲーム性なので、エイムに自信がない人でも参入しやすいのも良い点ですね。
ナワバリバトルでは塗った面積で競う
本作を代表する対戦モードがナワバリバトルですが、対人戦闘が苦手な僕でもかなり熱中できたとても画期的なルールだと思いました。
ステージのあらゆる場所を塗った面積で勝敗を決めるというもので、敵を倒した数・倒された数は勝敗に一切関係無し。
僕のように敵との撃ち合いに弱くても、逃げ回りながらいろんな所を塗りまくるだけでも勝利に貢献することができます。
もちろん相手を倒したり中央付近や敵陣地を塗った方がよりチームが有利になるのは確かですが、自陣をしっかり塗るだけでも役に立てるので、いきなり戦場に飛び込むのが不安な対戦ゲーム初心者の方にもとっつきやすい設計になっています。
ゆくゆくは戦闘にもちゃんと協力しないと上級者にはなれないんですけど、撃ち合いが下手でもある程度上達していけるのはバトルに苦手意識のある僕のような人種にも楽しめる画期的な要素だと思いました。
実際僕の対戦履歴を見ると倒された数は倒した数に比べてかなり多いんですが、勝率は50%を若干上回っていたのでちょっと嬉しく思いました笑
実は一部の狭いステージだとステージの大半が戦場になるので初心者はキツイんですが、広いステージならたくさん塗るだけでもそれなりにチームに貢献できます。
サーモンランでCPU相手に協力プレイが楽しめる
僕はヒーローモード→ナワバリバトル→サーモンランという順番でプレイしたのですが、個人的にはサーモンランが一番楽しかったです。
このモードは仲間4人で協力してシャケの大群(CPU)を相手に戦うモードで、オオモノシャケを倒すと現れる金イクラというアイテムを制限時間内に規定数納品するのが主な目的です。
良い点としては、ナワバリバトルのように敵がプレイヤーではないので動きを読みやすいですし、倒した時の謎の罪悪感も無いので比較的平穏な心で楽しくプレイできます。もちろんゲーム内で使える色々な報酬も獲得できます。
純粋なアクションゲームの腕前ももちろんゆくゆくは大事になってくるのですが、サーモンランではステージごとの立ち回りや敵を倒す優先順位・ブキの特性の理解など状況ごとになすべきことを覚えることの方が最初のうちはむしろ上達に直結するので、攻略サイトなどで知識を蓄えながらプレイするとより深く楽しむことができます。
また期間ごとに使えるブキは基本的に固定となっており初心者の方が色々なブキに慣れ親しめるというメリットもあるので、ブキの理解を深めたい方にもおすすめなモードです。
CPU相手なので簡単なのかと思いきや、意外にも難易度が高く毎回安定してクリアするのは相当な熟練者や統率が取れているチームでないと難しいです。
だからこそクリアした時の達成感も高く、中毒性があるんですけどね。
ヒーローモード(1人用)も意外に充実している
あくまでオンライン対戦がメインのゲームですが、ヒーローモードという一人用のストーリーモードも充実しており隅々まで遊べば数十時間は遊べると思います。
このモードに関しては有料のSwitch Onlineに加入していなくても遊ぶことができ実質的に操作のチュートリアルも兼ねているので、スプラトゥーンを始めたばかりの方でまだSwitch Onlineに加入していない方は加入する前にまずはこのモードの序盤の方だけでも遊んでみるのをおすすめします。
ヒーローモードではステージ毎に異なる指定のブキでクリアする必要があるので様々なブキの練習にも適しており、ブキごとの特性や操作感を覚えられるのでこちらもスプラトゥーンを始めたばかりの人におすすめできるポイントです。
最初の方のステージはただのチュートリアルといった感じで別にそこまで面白みは無いんですけど、段々と難易度が上がっていきステージのギミックや敵の弾幕が苛烈になっていくので歯ごたえのあるプレイを楽しむことができます。
僕はまだ全てのステージをクリアしていませんが、終盤には上級者も唸るようなステージが待ち受けているとか。
ゲームの形式は基本的に宙に浮いている一本道のステージに道中様々な仕掛けや敵が配置されている形式になっていて、同じ任天堂のゲームだと少し古いですがスーパーマリオギャラクシーシリーズを彷彿とさせるようなステージ構成となっています。
プレイヤーのレベルの概念は無いですがRPGのようにスキルツリーを使ってプレイヤーを強化していくことができるので、簡易的なものではありますが成長要素も楽しむことができます。
以上の内容から、ヒーローモードはオンラインゲームのおまけとしては非常に豪華な内容と言えると思います。
さらに、筆者はまだ所持しておりませんがエキスパンション・パスという有料DLCを追加で購入することでサイド・オーダーという1人用の追加コンテンツにも挑戦できるようになります。
ヒーローモードを制覇したら挑戦してみるのはいかがでしょうか。
多種多様なブキ・ギア
スプラトゥーンでは攻撃手段となるブキ、自身の性能を強化できるフクやクツといったギアをそれぞれ自由に装備できます。
ブキの種類はかなり多く、シューターと呼ばれる軽量の銃や長射程を持つチャージャー・ペンキを塗る時のコロコロのような見た目のローラー・曲射が得意な弓の形をしたストリンガーなどそれぞれのブキ種に特徴があります。
また同じシューター種でもブキそれぞれに個性があり、攻撃力などのパラメーターが違うだけではなく弾の飛距離や速度・連射間隔・移動速度・インクの消費量・サブウェポン・スペシャルウェポンなどあらゆる要素が異なるので、ブキの数だけ使い心地や戦略が異なるといって差し支えありません。
扱いやすいと思ったブキを適当に撃ちまくるだけでもそれなりに戦えますが、自分のブキの特性だけでなく敵のブキの特性まで把握できるようになるとより上手く立ち回れるようになるので、余力があれば色んなブキを少しだけでも触れておくといいかもしれません。
上記のようにサーモンランやヒーローモードで実際に使用してみるのもいいですね。
また今でも大きなアップデートの際に新たな武器が追加されているので、長く新鮮な使い心地で楽しむことができます。ぜひ自分のお気に入りのブキを見つけてみてください。
一方、ギアに関しては性能の違いもありますが見た目のカスタマイズ的な要素が強く、アタマ・フク・クツの3箇所を組み合わせて各々自由なファッションを楽しむことができます。
お店には毎日違う品が並んでいるのでお気に入りのものは確保しておくと良いですね。
ギアには基本ギアパワーと追加ギアパワーというプレイヤーの能力を強化できるポイントが付いており、それぞれ後からアイテムを消費して自分好みの性能にすることができます。
自分の戦略に合ったギアパワーを付けておくことでバトルを有利に進められます。
ギアパワーは意外と馬鹿にできないほどの効果があるので、バトルに挑む前にちゃんと埋めておくことをおすすめします。
惜しい点: ストレスの原因になる場合も
軽快でアップテンポかつ実力差が出やすいゲーム性のせいか、他のゲームよりも体感的に負けることや上手くイカないことに対してストレスを抱えている人が少なくない印象です。
子供受けも良さそうな見た目とは裏腹に、マリオカートなどと違って運で逆転できる要素はほとんどなく、ゴリゴリに実力を競い合うゲーム性なため、負けることへの耐性がないと精神的ダメージが大きいと思います。
確かに筆者も稀に10試合以上連敗した時は、負けたことへの悔しさやストレスというのを久しぶりに少し感じました。
今まで筆者がPvP(プレイヤー対プレイヤー)のゲームを避けてきたのはこのような理由も大きいです。
やはりPvPのゲームってどうしても頂点付近もしくは底辺付近の実力のプレイヤーでない限り勝率が五分五分くらいになるようにマッチングされるようにできてると思うので、半分くらいは必ず負けることを覚悟して遊ぶ必要があるんですよね。(個人的には人を直接打ち負かすというのもあまり嬉しくないのですが)
そもそも勝つことをそこまで重視していなかったり、負け続けてもストイックな気持ちで上達していこうと思える精神を持っていればいいんですけど、1人用ゲームの感覚でクリア(勝利)するのが当たり前、みたいな気持ちでプレイするのはやめておいた方がいいと思います。
人間の脳は負の感情の方がより印象が強くなりがちなので、一般的にはどうしても勝った嬉しさよりも負けた悔しさが上回ってしまう場合が多いと思います。
ポップな見た目なので老若男女問わず受けが良さそうですしナワバリバトルでは対人戦闘が比較的少ないこともあり、総合的に間口の広いゲームデザインが良いところなんですけど、そのせいかオンラインゲームに耐性の無い人たちがストレスを抱えてしまっている現実があるみたいです。
おわりに
僕はおそらく初めてオンラインで見知らぬ人と対戦するゲームをこんなにしっかり遊びましたが、予想以上に熱中できたので満足しています。
ただ結局一番楽しかったのはサーモンランだったので、僕はやはり試行錯誤しながらCPUとバトルするのが好きなんだなと改めて実感しました。
ガチマッチやナワバトラーなどまだ遊んでいない要素もあるのですが、一旦満足するまで遊んだのでこちらについてはまた気が向いたらプレイしてその時追記したいと思います。
ナワバリバトルでは3分という短時間で1試合プレイできますので、まとまった時間がない人にもおすすめのゲームとなっています。
この記事がスプラトゥーン3の購入を悩んでいる方などの参考になれば幸いです。
お気に入り度: 90点/100点
プレイ時間: 約120時間
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