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【デス・ストランディング レビュー】配達がメインの究極のお使いゲーム!

ゲームレビュー
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今回は配達がメインという新ジャンルを確立したSIEの名作「デス・ストランディング」をレビューしていきます!

プレイする前は「配達するだけのゲーム?」と正直あまり期待していなかったのですが、プレイしていくほどに夢中になってしまい、あっという間にクリアしてしまいました。

斬新なゲーム性・クセになる操作感・引き込まれる世界観など魅力がたくさん詰まっていますので、そんな本作の良かった点を中心にレビューしていきます!

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ゲーム概要

発売日2019年11月8日
対応ハードPS4/PS5/PC
ジャンルアクション
推定クリア時間約60時間
開発コジマプロダクション
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良い点

配達するだけなのに意外とクセになる

本作はアクションゲームですが、よくある戦闘やアスレチックがメインではなく、主な作業は依頼された荷物を目的地まで届けること

一般的なゲームでは、NPCに何かを運んだり取ってきたり頼まれることを「お使いクエスト」などと呼び、面倒な作業として悪い印象を持たれることが多いです。

そのような配達作業を本作ではメインコンテンツにするという斬新なゲームデザインとなっており、ステルスアクションという新ジャンルを開拓した「メタルギアソリッド」シリーズと同じく小島秀夫さんがプロデューサーを務めています。

「配達がほんとに楽しいの?」と思われそうですが、意外にもこれがくせになるんですよね。

ゲームの進行は主に以下のような行動の繰り返しで進んでいきます。

  1. リスクと効率を考慮しつつ配達する荷物を準備する
  2. 状況に応じて最適な配達ルートを考える
  3. 荷物を傷つけないように注意しつつ目的地までひたすら歩く

楽しさを言語化するのが難しいですが、巨大な荷物を背負って荒廃した世界をひたすら進み続けるのは任務を遂行する緊張感と旅をしているようなワクワク感が入り混じります

開けた広大なオープンワールドが舞台となっているので、もちろんPSならではの開放的な美しい景色を存分に堪能しながら遊ぶことができますよ。

歩いている最中は大きな川や崖に行く手を阻まれることもありますが、梯子やロープ、時には建築物も駆使して過酷な未開の地を地道に進んでいきます。

また足場が悪かったり背負っている荷物が多すぎるとバランスを崩したりするので、ただLスティックを倒して進み続けるだけでなく、適度にL2R2ボタンでバランスを取り踏ん張りながら歩くことも重要になってきます。

移動することを醍醐味にしたゲームなので他のゲームと違い移動するにも様々な制約がありますが、このような一手間があるからこそ移動の単調さがなくなっており、普通のゲームだったら苦痛になりそうな長時間の配達も楽しい作業へと昇華させています。

荷物の量を考えて準備

本作は一般的なゲームと違い装備や配達物などの荷物を持てば持つほど動きが鈍くなります。

当然持てる荷物の量も制限があるので、何を優先的に持っていくべきか考えて準備する必要があるんですね。

BTやミュールといった敵も存在し、配達物だけではなく武器も持っていく必要があるので、多くの戦闘が予想される場合はさらに荷物が圧迫されます。

一見すると持てる荷物に制限があるのはめんどくさそうに思うかもしれませんが、配達物の量や重さを考えて持って行く武器やアイテムを考えるのは、RPGで言うとパーティのメンバーや装備を考えているような感覚に近くて、やってみると思いの外楽しいんですよね

配達依頼は無数にあるので、行き来を繰り返す中でどうしたら最小の移動量で多くの配達物を届けられか効率を考えながらプレイするのはやりがいがあります。

配達経路を工夫する

荷物を整えたら、次は目的地までのルートを考えます。

デス・ストランディングの世界では頻繁に時雨(タイムフォール)という雨が降っているのですが、この時雨の領域ではBTという厄介な敵がうじゃうじゃいるので、戦闘を避けたい場合はなるべく時雨を避けてルートを考えなければいけません。

また、エリアによってはミュールやテロリストといった人間の敵も自分の縄張りを持っているので、余計な戦闘を避けたい場合はこれらの縄張りも避ける必要があります。

いやらしいことに時雨やミュールなどの縄張りは平坦で歩きやすいルート上に展開されている場合が多く、そう簡単には荷物を配達させてくれません。

道程の楽さを優先して敵との戦闘を覚悟で進むのか、遠回り且つ谷や崖などの過酷なルートを通ってでもなるべく戦闘を避けて配達するのか、その時の持ち物や荷物の量を考えて状況に応じてルートを変えながら進むことが重要です。

効率や安全性を考えながら荷物を配達するのは大変ですが、上手く配達できたときの達成感をより強めてくれています。

過去と現在が交錯する重厚なストーリー

本作はストーリー要素にも非常に力が入っていて、主人公で伝説の配達人と呼ばれるサム・ポーター・ブリッジズをはじめ主要なキャラクター1人1人に重要な役割があります。

正直ストーリーの序盤~中盤までは意味深な伏線が多くて、僕の頭では「???」って感じだったのですが(笑)、終盤に今までの伏線が回収されていき、デス・ストランディングを巡るストーリーにかなり感動を覚えました。

ムービーシーンが非常に多く、余裕で映画一本作れそうなくらい用意されています。

正直序盤はムービーが多くてプレイのテンポが悪く感じたりもしたのですが、これくらいストーリーが緻密に作り込まれていると必要な尺だったんだと後から思いました。

用語が多くて内容もそこそこ複雑なので、メールやゲーム内資料も見返しておくと理解が深まると思います。

デス・ストランディングという大災害の意味や各キャラクターの背景事情・真の目的など、謎の多かった物語が終盤に解明されていくのは感慨深いものがありましたね。

荒廃的な雰囲気と音楽がとてもいい

ほぼ移動している時間がメインのゲームなので、雰囲気づくりは重要です。

本作ではデス・ストランディングという大災害によってかつての文明が滅びたアメリカが舞台となっていますが、街が消失した代わりにほとんどの場所が広々とした大自然となっています。

道も全く整備されておらず手つかずの状態ですが、だからこそ前人未到の地を一人旅しているようなドキドキ感とワクワク感が入り混じった新鮮な感覚でプレイできました。

また物語中は序盤から終盤まで、配達中の様々な場面で儚げな歌がBGMとして流れるのですが、これが雰囲気づくりに非常に効果的で、まるで映画のワンシーンを自分でプレイしているような感覚でした

数多くの歌が収録されていますが、どれもしみじみとした哀愁漂う印象の曲で、荒廃的なグラフィックと相まって個人的には本作の雰囲気は非常に刺さるものがありましたね。

フローターでカメラ距離が変えられる

本作は通常時のカメラ距離がそこそこ近いので人によっては画面酔いしやすく感じるかもしれません。

しかしフローターという荷物を載せられるアイテムを装備すると、カメラ距離が遠くなるのでかなり酔いにくくなりました。

フローターを2つ装備するとカメラ距離がかなり遠くなるので、3D酔いしやすい人は荷物が少ないときでも装備しておくのが良いと思います(自分はそうしていました)。

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惜しい点

専門用語が多くて理解するのが大変

ストーリー重視の作品にありがちですが、専門用語が多いので最初は何を言ってるのか理解できない場面が多くありました。

ストーリーも非常に作り込まれている分しっかり聞いてないとよく分からなくなりがちだったので、ゲーム内資料などを活用して背景知識をしっかり確認しておくことをおすすめします。

UIの情報量が多め

UIにはいろいろな情報が盛り込まれているので最初は混乱しました。

しかし全ての情報を把握する必要は無いですし、慣れてからはこれくらい複雑な方がリアルな感じがしてこれはこれで良かったです。

雪山エリアは微妙

物語の一部では雪山エリアがあるのですが、雪山では基本的に視界や足場が悪く、吹雪で周囲がよく見えない場面もあります。

足場が悪いのは仕方ないにしろ、個人的に視界が悪くて画面が真っ白で景色が代わり映えしないのが退屈でした

配達しながら景色を楽しむのも本作の醍醐味なので、雪山ではもう少し景色を見渡せるような場所が多いと良かったです。

販売方法は低評価

本作はオリジナル版はPS4で発売されたゲームですが、2年も経たずに完全版の「ディレクターズカット」がPS5(とPC)のみで発売されています。

ゴーストオブツシマみたいにPS4でも完全版を発売しなかったのはかなり印象の悪い販売方法だと思いました。

PS5にはこの手の売り方のゲームが少なくないですが、追加要素だけを次世代機で販売するのは当初ソフトを目当てに前世代機を買った人に失礼だと思います

あと次世代機を購入した人も、前世代機のソフトに少し追加要素を加えただけのものを出されても別に嬉しくないでしょうし、総じて悪手だと思います。

ハートマンがグロい

惜しい点で紹介することでもないかもしれませんが、個人的にハートマンの設定がグロくてかなり苦手でした笑

心臓の手術中に事故があったことや、一定時間ごとに心停止とAEDによる心肺蘇生を繰り返すのが見てるだけで心臓に悪かった気がします笑

まあ僕がこういった表現に耐性が無いというだけで作品の落ち度はありません。

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終わりに

重力を操り空中に「落下」して移動できるグラビティデイズシリーズ、ウェブスイングでかつてない爽快感で飛び回り移動できるマーベルスパイダーマンシリーズ、そして移動そのものをアトラクションにしたデス・ストランディング。

勝手な予想ですが、SIEはマップが広大なオープンワールドゲームにありがちな「移動の退屈さ」を楽しさに変化させることも1つの目標にしていたのではないかと思います

そしてどの作品も見事に移動することが苦にならない、むしろ楽しいと思える作品に仕上がっていて、オープンワールドゲームの1つの最適解を示したように思います。

SIEに限りませんが、これからもデス・ストランディングのように新たなゲーム性を開拓するソフトの登場がとても楽しみですね。

お気に入り度: 85点/100点

プレイ時間: 約65時間

このブログでは他にも僕がプレイしたゲームのレビューやゲームコラムを中心に、その他雑記なども掲載しているので、興味がありましたら他の記事もご覧いただけるとお役に立てるかもしれません。

お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

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