今僕は、脳のリハビリも兼ねてときどき高校の勉強を復習し直しています。
そんな中で、受験生・もしくは大人の学び直しにちょうどいいレベルの本があったのでレビューしてみたいと思います。
今回紹介するのは高校物理の問題集で、「チョイス新標準問題集 物理基礎・物理」という本。
2022年8月に発売された本で、アマゾンやネットでのレビューがまだほとんどありませんが、結構良い本なんじゃないかと思ったので、今回は良い点・惜しい点に分けて紹介させていただきます。
良い点
レイアウトがシンプルで良い
僕がこの問題集を選んだ一番の理由は、レイアウトに惹かれたからです笑
文字や余白の大きさも適切で、2色刷りで勉強にちょうどよく、解答・解説もごちゃごちゃし過ぎず全体的にシンプルな感じが個人的にかなり好みでした。
- 単元ごとに重要な公式や用語がまとめてある点
- 問題ごとにその問題のテーマが記載されている点
は、地味ですがあったほうがなにかと便利なので、気に入っています。
類書だとどちらかしかなかったりするので、両方揃っているのは良いですね。
発売から日が浅い本なので巷にレビューは全然無いですし、受験生だったら選んでなかったかもしれませんが、今は趣味で勉強しているだけなのでなんとなく好みで選びました。
あと見た目に関して言えば、類書と比較すると結構薄いのも決め手でした(本書は問題・解答合わせて311ページ、問題数は計175問です)。
入試物理の基礎~標準くらいまでの問題を一通り扱っている問題集は多々ありますが、僕の知る限り本書より薄いのは「良問の風 物理(河合塾)」くらいしか思い当たりません。
他の入試標準問題集(文英堂)や良問問題集(旺文社)などは、網羅性が高かったり発展的な内容まで扱っている分、本書よりもかなり分厚くなっている印象でした。
時間のある方・ハイレベルを目指したい受験生にはそちらの方がおすすめかもしれません。
「チョイス新標準問題集 物理基礎・物理」は、あくまで入試基本レベルの典型問題が中心です。
僕は基本的な知識を復習してみたかっただけなので、本書がちょうどいいと思いました。
重要で基本的な問題が一通り学べる
本書の前文にもあるように、この問題集では入試の基礎的な問題からやや標準的な問題を一通り取り扱っているので、1冊で全分野を学習できます。
公式の確認程度の初歩的な問題から、典型的な問題までカバーしていますが、いわゆる難問の類は載っていません。
学校で配られるセミナー物理などと比べると薄いし問題数も少ないので、網羅性で言えばそんなに高くはないでしょうが、その分重要なものだけが厳選されているので、時間のない社会人や受験生も効率的に学習できると思います。
一応分野毎の問題数は、力学: 65問/ 熱: 16問/ 波動: 31問/ 電磁気: 49問/ 原子: 14問の計175問となっています。
一問一問は軽めで、良問の風と同じくらいの問題レベルだと思います。
くどくないくらいのちょうどいい解説の量
本書は、1から手とり足とり説明するほど、懇切丁寧に解説が書かれているわけではない印象です。
途中式の変形などもそこまで詳しく書かれていない印象です。
ただ、知識ゼロから物理を学ぶ人にとっては不親切に思うかもしれませんが、まともに勉強してきた人からすれば、丁寧過ぎる解説は雑音でしかないので、理解の妨げになり得ます。
なので、このくらいの解答・解説の方が目に入る情報量が多すぎず少なすぎず、ちょうど良いのではないかと思いました(あくまで主観ですが)。
図や補足が豊富
物理の問題集の解説において、図はすごく重要です。
その点、この問題集は類書と比較しても豊富に図を取り入れているので、理解しやすいと思います。
また、「補足」では問題から得られる+αの情報を書いてくれているので、理解が深まります。
他にも重要な着眼点をまとめた「ポイント」や、別の視点で問題を見ることができる「別解」が随所に入っていますので、問題集としての質は結構良いと思います。
惜しい点
間違い・誤植がある
問題集として致命的なほどではないですが、誤植や間違いがあります。
今分かっているのは、力学の問6(2)の答えの解説が正しくない(角θが必ず30度だと決定できないはず)のと、解答編99ページのポイントで行路差→光路差の誤植です。
まだ初版だったとは言え、やっぱり問題集だけでなく出版社の信頼にも関わる部分なので、間違いや誤植はしっかり点検してから発売して欲しいですね。
解説はそこまで詳しいわけではない
良い点でも述べましたが、この本はそこまで懇切丁寧に解説は書かれていない印象です。
途中式なども、多少は数学・物理の知識があることが前提です。
とはいえ、問題は公式の確認程度の初歩的なものから載っているので、教科書や授業で一通り学んだ人は、いきなりこの問題集から始めても無理なく理解できると思います。
あと、僕のように学び直しで解いている人にもちょうどいいくらいの解説だと思います。
問題の出典が明記されていない
些細な点ですが、本書は入試問題集なのに、よくある問題毎の「〇〇大学」等の出典が明記されていません。
だからといって直接なにかデメリットがあるわけじゃないですが、なんとなく違和感がありますね…。
まさか全てオリジナル問題というわけではないでしょうから、書いてあった方が個人的には良かったかなあと思いました。
類書を簡単に紹介
ここからは、「チョイス新標準問題集 物理基礎・物理」の類書と言える問題集について、書店で見た印象とネット上のレビューを総合して簡単にコメントしてみます。
実際に購入して解いたわけではないので参考程度に。
良問の風 物理(河合出版)
おそらく、標準レベルの問題集の中で最も有名で人気な本。
チョイスと比較するとやや薄く、問題数も若干少ないです。このレベルの問題集の中では最もページ数が少ないかも。
単元ごとに要点のまとめがありますが、問題ごとのテーマは書かれていないです。
巻末に論述問題がまとめてあるのも特徴です。
時間が無い学生でも無理なく取り組める量ですし、皆が使ってきた信頼と実績があるので、迷ったらこれが良いかも。
物理のエッセンスで学んできた人は、一番繋げやすいと思います。
入試標準問題集物理 物理基礎・物理(文英堂)
2023年7月現在、アマゾンでの評価が最も高い問題集。
確認問題・重要問題・チャレンジ問題と難易度分けされていて、入試基礎レベルから発展レベルまで幅広く網羅されています。
その分類書の中ではトップクラスに分厚いです(500ページ弱)。
解答・解説はかなり詳しく書かれていて、補足事項もたくさん紹介されている印象でした。
単元ごとの要点のまとめは無いですが、その代わり解答・解説の中で、必要な問題が出てきた時に重要な公式や法則が適宜書かれています。
入試基礎レベルから発展レベルまで1冊で網羅したい方におすすめ。
物理の良問問題集(旺文社)
こちらも1つ上で紹介した入試標準問題集と似たような本。
ただ、こちらの方が公式を当てはめるだけとかのかなり初歩的な問題が多い印象でした。
確認問題・必須問題・レベルアップ問題の3段階で構成されてます。
大問の数は類書の中では一番多いけど、軽めの確認問題で問題数が水増しされているだけなので、ボリューム的には入試標準問題集と同等くらいかと。
特徴としては、「APPROACH」という問題を解く上での着眼点・発想などが各問題ごとに最初に示されています。数学の青チャートとかにもあるやつですね。
あとは、白黒ですが要点のまとめが各単元毎に一応あります。
初歩的な問題から発展レベルまで、幅広くカバーしたい人におすすめ。
ひとりで学べる秘伝の物理問題集(Gakken)
日常学習にも入試対策用にも使えそうな1冊。
解答・解説がめちゃくちゃ分厚く(解答・解説だけで400ページ)、問題の解説だけじゃなくて補足事項や関連知識なども大きくページを割いて紹介されています。
問題数自体はチョイスよりも少し多いくらいですが、解答・解説が分厚いので、本自体はめちゃくちゃ分厚いです。
特徴としては、重要な問題に関してはYou Tubeで解説動画が見られるという特典が付いてます。
個人的にはGakken独特のポップな感じのレイアウトが苦手でしたが、知識ゼロの状態から入るなら一番オススメな1冊だと思います。
また、本書からスムーズに「ひとりで学べる秘伝の物理問題集high」へ繋げられます。
実践 物理重要問題集(数研出版)
まあ類書というよりも、完全に1,2ランク上の難しい問題集。
基礎問題は無く、入試標準のA問題と、応用レベルのB問題で計156問。
ページ数だけ見るとチョイスと大差無いですが、一問一問が重く、文字が小さくぎっしり印刷されているので、かなりボリュームがあります。
解答・解説編は特に文字や図が小さくてちょっと読みづらいかなあという印象を持ちました。
解説が詳しくないという巷の評価ですけど、単に文字が小さいだけかも?
東大とか目指す人は余裕で解けるのかもしれないけれど、多くの人は全問解く必要はなさそうなレベルの問題集という感想…あんまりちゃんと見てないけど。
網羅性は高いらしいです。
昔から化学と違って少し人によって評価の分かれる物理の重要問題集ですが、今でもあんまり変わってないようです。
名問の森 物理(河合出版)
こちらも類書というよりは、1ランク上の問題集。
同著者の物理のエッセンスや良問の風で勉強してきた人はもちろん、そうじゃない人でもクセがなく解説が詳しいのでおすすめの問題集です。
一応上級レベルまで対応した問題集ですが、実は結構基礎的な問題から扱っているので、対象レベルは広いです。
今は入試標準問題集や良問問題集など、類書が充実していますが、僕が受験生だった当時はこのレベルの問題集でクセがなく評価の良いものがこれくらいしかありませんでした。
2冊合わせるとかなりボリュームがあります。
終わりに
今回は河合塾の「チョイス新標準問題集 物理基礎・物理」をレビューしてみました。
一応受験期に物理は2次試験の勉強までしていたので、色々解きながら思い出すことがあり良い脳トレになっている気がします笑。
評判がまだ全然無い本書ですが、良い意味でシンプルなレイアウトでクセがないので、割と万人向けの良い問題集ではないかと思います。
社会人の学び直しとして・大学受験用として、オススメの本の紹介でした。
今回は参考書のレビューでしたが、このブログでは他にも僕がプレイしたゲームのレビューやゲームコラムをはじめその他雑記なども掲載しているので、興味がありましたら他の記事もご覧いただけるとお役に立てるかもしれません。
お読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
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