今回はインディーゲームの中でも度々名前の上がる名作ホロウナイトをレビューしていきます。
気になっていたもののちょっと難しそうな印象なので後回しにしていたのですが、遊んでみると結構テンポよく進められるゲーム性で意外とクリアまで停滞せず遊べました。
虫が題材ということで時々やや鳥肌が立つような表現もありましたが、絵柄がデフォルメされた可愛い感じなので現実で虫が苦手な方でもたぶん大丈夫だと思います(僕も虫が苦手な方です)。
ゲーム概要

発売日 | 2017年2月24日 |
ジャンル | 2D探索アクションアドベンチャー |
クリア時間(目安) | 約33時間 |
開発 | Team Cherry |
良い点
軽快な操作性と歯ごたえのある戦闘

ホロウナイトの舞台となるハロウネストには、一部のNPCを除きプレイヤーに攻撃を仕掛けてくる虫たちがうじゃうじゃいます。
多くは一匹一匹はそこまで脅威ではありませんが、複数体同時にいる場面も多く攻撃が同時に来るとなかなか被弾してしまいやすいです。
また要所要所にボス以外にも強力な敵が構えているので、どちらかというと探索よりもバトルに重きを置いた作品です。
初見ではどういう攻撃をしてくるのか、どうやって倒すのか分かりにくいこともあり、未知のエリアに踏み入るときは少し緊張感がありました。
ボタンを押したらすぐにジャンプしたり攻撃が出る操作性で、軽快に動かせる分戦闘のテンポも速く特にボス戦では忙しい操作になりがちです。
ゆったり冒険したいというよりは、戦闘の歯ごたえを楽しみたい方に特におすすめできる作品です。
程よい探索の難易度

いわゆるメトロイドヴァニア形式のゲームでマップは迷路のように別れていて広大ですが、エリア毎に特定の場所まで進んでいくと地図を入手することができるので良心的でした。
マップは割と詳細に構造が分かる描かれ方ですしマップ上の自分の位置を示すチャームも装備できるので、地図を見るのが下手で方向音痴な僕でもほとんど迷わずに冒険できました。
ファストトラベルや好きな場所にワープできる能力も後々獲得するので、マップはめちゃくちゃ広いですがその割には快適に探索しやすかったです。
一方でアスレチックとして難しい場面は割と多く、壁キックや2段ジャンプ・空中ダッシュ・攻撃の反作用などを活かして一見渡れないような道も突破していくことが求められます。
また最初は通行不可能な場所でも後々獲得する能力を使えば通れる様になっていたりもするので、迷路みたいな難しさはそんなに無いですが一定の探索要素は用意されています。
鬼難易度のやりこみ要素

本作はエンディングまでクリアするなら他のゲームと比較してもそんなに技術を必要としませんが、やり込み要素を埋めようとすると一気に難易度が跳ね上がります。
具体的に言えば神の家での縛りを付けたボスラッシュやスティールソウルモードがあります。
どちらも腕に自信がある人に向けた要素なので全部やらなくても十分楽しめますが、それまでのストーリーや攻略がチュートリアルに思えるくらいの難易度だとは思います。
Steam版などでは実績解除の対象にもなっているみたいです。
挑戦を好むプレイヤーの方にとっては、1つのゲーム技術の称号になるのかもしれませんね。
ちょっとダークな設定の世界観

冒険の舞台ハロウネストは昔栄えていた王国で、強大な力との対立の末崩壊した後の姿がどこか哀愁を感じるような雰囲気になっています。
虫が題材なのでイモムシとか蜘蛛とか蜂とかあんまり普段感情移入しにくい生物?がたくさん出てくるのですが、物語自体はかつての信仰における絶対神のような存在と高度な知恵や文化を発展させた虫の王国との対立が描かれており、人間社会に通ずるような部分もある内容となっているようです。
実際ゲームを遊んでいる時に得られる物語の情報はかなり断片的で抽象的なのでしっかり意識してないと話や目的が分かりにくいですが、デフォルメされた絵柄とは対照的にちょっと重くてダークな設定の世界観なのがギャップを感じて面白いです。
ただあんまり話を理解してなくてもアクションゲームとして遊ぶだけでも十分楽しめる内容ですし、後から設定や考察を知るのもそれはそれで楽しかったです。
2Dイラストによる美しい表現




本作はステージもキャラクターも2Dイラストで描かれていて、ダークな雰囲気ながら幻想的で美しい虫の世界が見事に表現されています。
イラストが何層にも分けて配置されているので2Dながら奥行きも感じられてクオリティが高いです。
多種多様なキャラクターも滑らかなアニメーションで動きが表現されており、生き生きとした虫たちの動きが感じられて素晴らしかったです。
動きだけでなくエフェクトや効果音も心地よく感じられる出来栄えで、アクションゲームとしての手触り感が良くてついついたくさん遊びたくなってしまいました。
エリアごとに特色があり背景・敵の雰囲気やBGMがガラッと変わるので背景や世界観も楽しみながら探索が進められます。
夢見の釘で建前の裏にある本音を聞ける

ストーリーを進めると入手できる夢見の釘という武器で攻撃すると、キャラクターの心の声を聞くことができるようになります。
話しかけたときに喋っている内容とは全然違うことを思っていたりもするので、本心を聞いてみると意外な一面が見えたりして面白いです。
必須の動作ではないものの、NPCだけでなく敵の虫たちの声も聞くことができるようになっているのでなかなか細部まで手が込んでいるゲームだなと感心しました。
終わりに

個人的総合評価: 🌕️🌕️🌕️🌕️🌕️🌕️🌕️🌗🌑🌑
インディーゲームの中でも盛り沢山の充実した内容で、世間的な評価の高さに納得がいく作品でした。
3D描画の作品が大手メーカーの主力ではありますが、こういった完全に2Dで構成されたゲームもまた違った味や楽しさが感じられて楽しかったです。
バトルやアスレチックの難しさはあるもののアイテムや装備がたくさんあるわけではないので、覚えることが少なめなのも遊ぶ負担が少なくて良いバランスだったように感じました。
発売から8年以上経った今でも全く見劣りしない魅力のある作品です。
プレイ時間: 約57時間
© Team Cherry. Hollow Knight and all related properties are trademarks of Team Cherry.
本記事で使用している画像は、ゲームレビュー・紹介を目的として引用しています。
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