今回はCAPCOMさんの完全新規のチーム制オンラインゲーム、エグゾプライマルをレビューしていきます。
本作で目を引く恐竜やメカスーツなどの題材は唆られる人も多いと思われますし、未来の科学vs太古の野生という対極的な構図で、暴走したAIにより大量に送られてくる恐竜との戦闘は少年心がくすぐられる設定です。
ゲーム概要

発売日 | 2023年7月14日 |
ジャンル | シューティング |
クリア時間(目安) | 約20時間(エンディングまで) |
開発 | CAPCOM |
楽しかった所
シンプルな操作と軽快なアクション

オンラインで協力して巨大な爬虫類と戦うゲームと言うと、同社で大人気のモンスターハンターシリーズを連想する方も多いと思いますが、モンハンに比べるとかなり操作がシンプルで覚えることも少なく、慣れるまでの敷居が低い作品です。
モンハンと似たようなジャンルなのかな?と先入観がありましたが、操作キャラの動きも軽快で遊んでみると全然違った印象でした。
スーツによりますが基本的に攻撃やスキルは1ボタンに1つずつ割り当てられていて、時間経過で再使用できるタイプの定番の仕様なので分かりやすくて良かったです。
シューティングゲームなのでエイム力はスーツによってはそこそこ必要になりますが、結構大きめな攻撃範囲を持つスーツも多いので慣れていない人でもすぐに楽しみやすいかと思います。
ロール(役割)ごとにやることが明白

30種類のスーツはそれぞれアサルト(攻撃特化)・タンク(敵を引き付ける)・サポート(回復や足止め)、という3つのロール(役割)に分かれていて、どれかが欠けないように5人でバランスよく装備することで最も安定した戦いができるようになっています。
各々が何でもできるような性能だとチーム戦としての役割分担が難しいですが、どのスーツを着ているかで主に何をするか明白なので野良でのオンラインプレイでも自然とチームとして上手く機能しやすいのが良かったです。
また色々なスーツを使いこなさなくても1つの役割に専念していれば活躍できるので、参入のしやすさもゲームとしては大事なメリットだと思いました。
ただし味方のメンバーで何かの役割が欠けていると大幅に戦力がダウンするので、臨機応変にスーツを変えられるとより安定してバトルを楽しめます。
エグゾスーツを自分好みにカスタマイズ

エグゾスーツには全スーツ共通で選べるサブウエポン1つと、スーツ毎に用意されたモジュールという強化装備を3つまで装着できます。
サブウエポンは強力な攻撃や移動・足止めに特化したものなど色々あり、使うスーツとの組み合わせで戦い方も少し変わってくるのでプレイスタイルに合わせて選ぶと一層楽しめますし、時々違うものも試してみると新しい立ち回りも見えてくるかも。
モジュールに関しては全スーツ共通のものもありますが、各スーツ専用で用意されたモジュールはかなり強力な効果のものが多いので筆者はほとんどそちらを選んで付けていました。
単に攻撃力を底上げするモジュールだけでなく攻撃方法や性能が大きく変わるモジュールもあるので、色々試しがいがあります。
ただしモジュールの購入やレベル上げは結構たくさんのゲーム内通貨を要求されますしスーツのレベルを上げてアンロックしないと購入できないモジュールも多いので、理想形の装備にするまでにはそれなりにたくさんプレイする必要があります。
他にも性能には関係無いですが、スーツの外見を色々アレンジできたり味方とのコミュニケーション用のスタンプやエモートも変更できるので、ちょっと自分らしさを表現できます。
ただしこちらも多くの素材はゲーム内通貨や条件の達成が必要です。
恐竜を操り敵チームを妨害
ミッションの途中で現れる「ドミネーター」と呼ばれる装置を起動すれば、大型恐竜を従えて相手チームの戦場に転送されてミッションを直接妨害できます。
操る恐竜は耐久力も攻撃力も驚異的な強さなので、操作に慣れは必要ですが上手く操れば大幅に相手チームを不利にできます。
大型恐竜が攻めてきた場合はこれを倒しきらないとミッションを進行できなくなるので、乱入してきたらチーム全員でなるべく早く倒し切る必要があります。
ただし味方が相手チームに乱入している間は味方チームが1人欠けることになるので、スーツの役割分担をちゃんと4人で満たしていないとこちらの進行にも支障が出る可能性もあります。
スーツはいつでも着替えられるので、適宜戦況を見ながら戦えると盤石です。
実際の恐竜と凶暴化した特殊恐竜


図鑑などで見るような恐竜が荒々しくもカッコいいのはもちろんですが、不安定なエネルギー物質に侵食されたネオソーと呼ばれる変異体も色々登場します。
いずれのネオソーも元の恐竜より遥かに強大な戦闘力で、見た目もダークで禍々しいオーラを放っています。
通常の恐竜は基本的に体当たりや噛み付きなど本来の野性味を感じる攻撃を仕掛けてきますが、ネオソーは遠距離攻撃や炎・氷などの特殊効果を持った攻撃などファンタジー要素の強い厄介な攻撃が多いので常に注意が必要な強敵です。
無双ゲームのような爽快感

小型~中型恐竜が大群で攻めてくるので無双ゲームのように一掃する爽快感があります。
範囲攻撃を活かせば効率的に対処でき、密集している場所に攻撃を撃ち込めると気分がいいですね。
ただし小型恐竜でも1匹1匹がかなり積極的に動き回って攻撃してくるので、1人で囲まれるとあっという間に倒されてしまいます。
当然ですがチームで戦うことが前提の難易度なので、ちゃんと引き付けや範囲攻撃を活かして効率よく掃討していくことが求められます。
ストーリーも思っていたより引き込まれる

オンライン対戦がメインですが対戦を繰り返すことでストーリーが進んでいくシステムになっていて、画像や音声ベースではありますが謎の多い出来事が解明されていくストーリーはなかなか面白かったです。
なぜ最高峰のAIリヴァイアサンが永遠に恐竜とバトルさせてくるのか、エグゾスーツがどうやって開発されたか、舞台となるビキトア島で一体何が起こったのかなど、タイムトラベルが絡んだSFを楽しむことができます。
エース(プレイヤーのアバター)は喋りませんが、ところどころ動作や表情で笑ってしまう場面が多いのも面白かったです。
エンディング後はエンドコンテンツとして通常のディノサバイバル以外のモードも期間固定で遊べるようになるので、普段のPvPとは違ったチームでハイスコアを目指すPvEのバトルも楽しめるようになります。
イベントでCAPCOMコラボのボスバトルも


期間限定イベントでは、ロックマンシリーズのイエローデビル・モンスターハンターシリーズのリオレウスが強力なボスとして登場しました。
敵チームも味方となり、総勢10人のプレイヤーでこれらのボスに挑みます。
流石に10人相手なだけあって大規模・高威力の攻撃を絶え間なく繰り出してきて迫力が凄い。
原作とは一味違った苛烈なバトルを楽しめました。
意外と画面酔いしない

紹介映像を見てややキャラクターがカメラに近めな印象のゲームだったので画面酔いしないかかなり不安だったんですけど、意外にも酔いやすい僕でもほとんど画面酔いしませんでした。
今までカメラの近さが主な原因かと思ってたんですけど、迫力を出すための画面の揺れとかダッシュした時のカメラ移動など自分の操作と関係無く動くカメラがかなり吐き気を誘発していたのかもしれません。
本作はそういったカメラの動きが最小限で遊べますし、酔いにくいカメラワークについて考慮されているんじゃないかと思いました。
理想を言えばカメラが遠くて揺れないのが一番いいんですけど、やや近い本作でも快適に遊べたのは嬉しい誤算でした。
注意: ややマッチングは遅い

ゲーム作品自体の評価ではないですが、発売からやや期間が経っているオンラインゲームなのでどうしても時間帯によってはマッチングに時間がかかります。
週末なら比較的早いですが、平日はマッチを開始しても数分間始まらないことがよくありました。
仕様上ソロで遊ぶことはできず、訓練以外はオンライン専用ゲームなので待たされるのが苦痛な人は注意が必要です。
しかも敵味方10人ちゃんと集まることは少なく、長々待ったうえで数人、時には自分以外CPUなんてこともありましたから、人とのチーム戦をフルに堪能したい場合は週末などに遊ぶことをおすすめします。
筆者は待ち時間にネットサーフィンなどをしていましたが、何かしら手元でスキマ時間を活用できるものはあった方がいいかもしれません。
期間限定でラスボス戦をアレンジした「タイムループリベリオン」や、通常モードより高難易度のタイムアタックに挑むサベージガントレットなども楽しめますが、そちらは通常モードよりもさらにマッチングが遅いことが多かったので、イベント戦は遊ぶ時間帯をさらに選ぶ必要があるかもしれません。
終わりに
CAPCOMさんの新規IPとしてシリーズ化するのかは分かりませんが、個人的にモンスターハンターはあまり野良のオンラインで遊びたいとは思わないので(不快な言葉を浴びせられることも何度かあったので)、このような知らない人とでもオンラインで気楽にチームで戦える作品は楽しかったです。
いつもフレンドと遊ぶ人には関係無いかもしれませんが、ぼっち勢にはオンラインゲームの野良の手軽さは重要ですね。
個人的総合評価: 🌕️🌕️🌕️🌕️🌘
プレイ時間: 約55時間
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