ゲーム概要

| 発売日 | 2018年9月7日 |
| ジャンル | アクション |
| クリア時間(目安) | 約25時間 |
| 開発 | Insomniac Games |
良かった・楽しかった所
圧倒的完成度で唯一無二のウェブアクション!

この作品以前にもスパイダーマンを題材にしている作品はたくさんありましたが、今作のウェブを使用した移動や戦闘は1つの到達点に達したと言えるのではないでしょうか。
簡単操作で街中を違和感の無いリアルな動きで飛び回り、戦闘においてもウェブによるワイヤーアクションをふんだんに活かしてアクロバティックなバトルが楽しめるので、ワイヤーアクションゲームの金字塔と言える作品だと思います。

紹介映像を見ているだけだと一体どうやって動かしているのか不思議にも感じましたが、実際遊んでみるとただR2ボタンを移動ボタンと組み合わせるだけでウェブスイングによるビル間の移動や壁のダッシュ、パルクールなどあらゆるアクションが発生するので、とても簡単に,それでいてちゃんと自分で動かしているという操作感も実感しつつ遊べるのは凄い絶妙なバランスで設計されているように思いました。
他にも照準ボタン(L2)とR2を組み合わせるとあらゆる場所にピンポイントでウェブを使って飛び移れるので、これを上記のウェブスイングやジャンプと組み合わせて移動すると自由自在に街中を飛び回ることができます。

ビル間だけでなく戦闘中も建造物が近くにあればいつでも同じようにウェブスイングなどができるので敵を撹乱しながら縦横無尽に攻め込めこむのが楽しいです!
空を飛んだり素早くダッシュしたり移動そのものを楽しめるゲームはたくさんありますが、個人的にはこのマーベルスパイダーマンのゲームでの移動が今まで遊んだゲームで最も楽しかったと感じています🕸️
映画級クオリティの戦闘表現




ストーリーを通して色んなシチュエーションでのバトルが発生するのですが、非常に多くの見せ場と言えるド派手なシチュエーションが用意されていて、1本のソフトでここまでハイクオリティなイベントシーンが贅沢に用意されているソフトはそうそう無いのではないかと思います。
特に大物ヴィラン達とのバトルでは特殊能力やフィールドを活かした多彩なモーションで攻めてくるので、普通のゲームならここぞという見せ場にだけ数回用意されているくらいの豪華な演出がストーリーのあちこちで発生します。
あまりにも潔く同じような演出や素材を繰り返し使わず、それでいてしっかり1本分のゲームとしてのボリュームが詰め込まれているのは驚異的です。

他にも戦闘中にフォーカスというゲージが溜まると一撃必殺の技が使えますが、使った時の姿勢や敵との位置関係・敵の種類によって非常にバリエーション豊かなモーションが用意されています。
どれもウェブと体術を活かしたアクション映画で見たことあるような技が多く、多彩な動きや迫力のカメラ演出がどこで繰り出しても違和感なく発動できるのは素晴らしい開発力のように思います。
3年以上前に初めて遊んだ時にどう思ったかは覚えていませんが、色々な作品を遊んでみた今再び遊んでみると改めて豪華な作品だと実感しました。
ヴィラン達も勢揃いの豪華シナリオ











スパイダーマン作品はいくつかしか見たことがないので詳しいことまで分かりませんが、子供の頃に見た映画に出てきたヴィランなども集結しており、映画では1つの作品を通じてスパイダーマンと対峙していたヴィランたちが続々とストーリーに絡んで出てきます。
それぞれのヴィラン達が1つの物語の一部として落とし込まれているゲームオリジナルのストーリーは、今までの作品がアクションゲーム向けに上手く融合されていて不自然さもなく没入感がありました。
最初の主要な人間関係はあらかじめあるものの、スパイダーマンをそんなに知らない人僕でも問題なく分かるようになっているのは親切なストーリーでした。


また次回作で主人公となったマイルズ・モラレスとの絡みや能力の目覚めなど今後に繋がるシーンが所々用意されており、抜かりないストーリーラインでした。
また何かと海外作品だと会話や文章に違和感があることが多いのですが、本作では全然そういうのもなく登場人物の話し方や内容が自然でした。
おそらく直訳ではない日本風な冗談の言い回しなども所々あり、軽口の多い主人公の発言が地味に遊んでいる時の楽しさを引き立ててくれていると感じました。
街中を移動している時もしょっちゅう事件などについて会話が発生しますし、ニュース番組も流れたり終始賑やかなので翻訳精度の効果は大きかったでしょうね。
多彩なスーツやガジェットで自分好みのバトル

RPGのような成長要素はおまけ程度ですが、スーツを変えれば異なる必殺技を使えるようになり、戦闘時に切り替えながら発動できるガジェットの使い方次第で各々違った戦闘スタイルを楽しむことができます。
全方位にウェブシューターを大量にばら撒く、一定時間無敵になる、映画でも使用された4本の強靭なアームを生やした強化状態など、おそらく過去作品の色んな題材を元にしたスーツの必殺技で少し違ったバトルを楽しめます。

小型ドローンに援護射撃させたり、敵を宙へ浮かせたり、爆発してウェブを一気に多人数に巻き付けるなどガジェットによる攻撃は使いこなせば便利なものばかりです。
無制限に使うことはできませんが特殊武器持ちや強力な敵には隙を生むのに役立つので、特に高難易度の戦闘では重宝します。
屋上などで戦っている時は敵を吹き飛ばすガジェットで敵を落下させると即座に倒すことができたり、壁が多い狭い場所ならウェブシューターの強化版ガジェットで壁に敵を貼り付けて倒したりなど、場面ごとに使い分けて有利に戦えないか考えるのも楽しいです。
細部まで贅沢に作り込まれた圧巻のフィールド


イベントで訪れる市長の家や美術館、敵のアジトなどの屋内、ヴィランとの攻防シーンなどで高速で駆け抜ける場面など、短時間潜入したり一瞬通過するだけのマップも非常に贅沢にハイクオリティで、とてつもない制作規模で作られたゲームであることは間違いありません。
これらのマップや演出がほとんど使い切りで用意されているのは、他の大作ゲームと比べてもかなり贅沢なのではないでしょうか。


当然舞台であり普段から飛び回るマンハッタンは現実とフィクションの世界が融合した圧巻のクオリティで、有名なタイムズスクエアやアベンジャーズのビルなど、イベントに絡まない名所や特徴まで完璧に作り込まれていた印象です。


他にも個性的な建物やビルのガラスの奥に見える部屋ごとの内装まで細部にわたり描画されてたり、街のストリートではバスケを楽しんでる人たちまで表現されていたりとか、SIEとMarvelの看板を背負っているタイトルの本気さが伺えます。
迫力のカメラワークなのに不思議と酔わない

アクション映画のようにカメラのポジションが勝手に動いたり大技の際に急接近する迫力重視の演出が結構あるのですが、洋ゲーでは珍しく(?)このような迫力のあるカメラワークでも不思議と酔いやすい体質の僕でもほとんど酔うことなく快適に遊べます。
通常状態ではカメラ距離がしっかり遠目になっていることや、スパイダーマン自身が激しく動いてもある程度カメラワークが一緒にガタガタ揺れないようになっているのが大きな要因なのかなと思います。
流石大規模作品なだけあってこういう配慮のレベルも高いように思いました。
2周目も遊んでみた感想

実は初めて遊んだのは3年以上前の2022年でしたが、当時低難易度で遊んでみて非常に楽しかったので、高難易度のニューゲームプラスはしばらく経ってからのお楽しみにしようと思って放置していました。
大したきっかけではないですがいい加減そろそろやっておこうと思い立って、最高難易度でニューゲームプラスを遊びました。
周回が前提ではないゲームでしっかり2周目を遊ぶのはおそらく人生初めてだったのですが、非常に楽しかったです。
楽しすぎてトロフィーに関係ないDLCもキッチリ2周目までクリアしました。
いわゆる強くてニューゲームを初めてやってみましたけど、スキル習得とか収集物探しとか、2回やるのは億劫に感じる部分を全部無視してゲームの一番美味しい部分だけをもう一度楽しめるのは今更ながら画期的な活用方法だなと思いました。
最初からそういうコツコツ強化する育成要素がないゲームもそれはそれで気軽に遊べて楽しいのですが、どうしてもボリュームの面で短い印象になってしまいがちだと思うんですよね。
1周目は育成要素を適度に交えつつじっくり遊んでもらって、2周目は面倒な部分を飛ばして醍醐味のアクションやストーリーのみに専念して遊べるのは、ただプレイ時間を増すだけでなく最初から難しいと苦しいプレイヤーにも後から開発側が用意した高難易度をしっかり体験してもらえるという双方に嬉しい設計ではないでしょうか。
一方で自分の事に目を向けると、全く同じゲームの2周目なのに昔の自分が遊んだストーリーや演出をほとんど覚えておらず、あまりに新鮮な気持ちで遊べてしまった自分に正直複雑な気持ちです😰
記憶力集中力が下がっているのはもう嫌と言うほど実感してきましたが、好きな趣味ですらこんなに何も覚えてなかったなんて…。
しかし、むしろだからこそニューゲームプラスでストーリーもおさらいしつつまた楽しめるのはお得なように思えてきました!
終わりに

あまりにも遊んでいて心地良いので何かお題さえ有ればまだ何周も遊べそうな作品ですが、他にやりたい作品もあるので流石に一区切りかなと思います。
でも気が向いたらサイドクエストとかもやりたくなるかも🙂↕️
個人的総合評価: ☄️☄️☄️☄️☄️
プレイ時間: 約87時間

コメント