(注意)この記事は、2021年4月2日に僕が別のブログで公開した記事を修正し転載したものです。
最近のゲームニュースなどを見ていると、Switchpro(仮)なるものが話題になっています。
新しいゲーム機が開発されることはゲーム好きとしてはワクワクする反面、貧しい消費者の立場としては色々思うことがあるので今回記事にさせていただきました。
Switchproの発売が噂される理由や発売の際のデメリット、個人的な予想などについて語っていきたいと思います。
なぜSwitchproの噂が立つのか?
最近海外のリーク情報記事などをもとにSwitchproの噂が広まっています。
なぜこんなにも噂が流れるのでしょうか。具体的な開発情報が漏洩している可能性もあるとは思いますが、それ以上に今までのゲーム機の歴史が信憑性を増しているのだと思います。
これはSwitchの前世代機、ライバル機の存在が大きく関わっていると思います。
具体的には、3DSとPS4です(あまり古いハードについては知識が乏しいです、すみません)。
この2つに共通することは、どちらも同じソフトを扱う同世代ハードとしての上位互換機が存在することです。
New3(2)DSシリーズ、PS4proがそれにあたります。
大雑把にその世代のゲーム機の状況を見てみると、比較的売れ行きの良い3DS・PS4と、どちらかというと存在感の無かったWiiU・PSVitaが上げられます。
そして、同ハード内の上位互換機が発売されたのは売れ行きの良かった3DS・PS4においてで、売上の振るわなかったWiiUやPSVitaでは発売されていません。
このように、今後は売れ行きの良いハードでは上位互換機が発売する!というのが、消費者の頭に刷り込まれたのだと思います。
過去具体的に上位互換機で変わったこと
New3DSシリーズではCPU性能の向上などに伴って一部ソフトの処理速度が向上しフレームレートが安定したり、ロード時間が短くなったりしました。
モンハンなどのビッグタイトルでもその性能アップの恩恵が受けられます。
またWiiUからの移植作「ゼルダ無双ハイラルオールスターズ」では、画面に表示される敵の数がNew3DSでは多くなります。
PS4PROでは、CPU・GPUなどの性能アップにより、多くのソフトでの4K解像度への対応やフレームレートの増加・安定、ロード時間の短縮、グラフィックの向上などの恩恵があります。
どちらの上位互換機も通常のソフトを遊ぶ上でもゲーム体験が向上する点が共通しています。
SwitchPRO(上位互換機)を出すことのデメリット
人によってはがっかりする
確かに上位互換機が発売されることは、Switchの発売初期から遊んでいるユーザーからしたら、数年使い込んだ頃の買い替えとなるので不満は少ないでしょう。
また、SwitchPROが初めてのSwitchの購入になる人も、不満はないことでしょう。
しかし問題は、SwitchPROが発表される直前に購入した人たちです。
企業側としては、上位互換機を公式発表してしまったら当然それまでのSwitchの販売は減るので、発売の直前まで開発していることは秘密にするはずです(にしても任天堂は発表から発売までの期間が短すぎると思いますが)。
そして、けっして安い買い物ではないゲーム機の購入直後に、上位互換機が発表されたらどうでしょうか。
経済力のある人なら後悔はしないでしょうが、Switchは子供のいる家庭でも遊ばれているはずです。
自分が小中学生だったら確実にショックを受けると思います。
そして、少なくない人たちが、上位互換機が出ることによってそういう境遇になると思います。
実はNew3DSは初期型3DSに比べれば大した売り上げを残していません。
New3DSの機能をフルに使ったNew3DS専用ソフトも、僕の知る限り数本しか発売されていません。
任天堂は前世代機となる3DSでそのような経験をしているので、安易に上位互換機を出すとは思えない部分があります。
ソフト開発における負担の増加
正直これが、僕があまり上位互換機の発売を喜べない部分です。
上位互換機を発売する以上、その性能を活かしたソフトを開発したいですよね。
でも、同じソフトを扱う以上現行のSwitchでもプレイできるレベルにソフトを仕上げることは必須と言えます。
もちろんそれぞれの機種によって解像度やフレームレート、またはグラフィックのディテールまでを完全に最適化できるようにソフト開発側が対応してくれれば問題ないですが、それだって簡単な作業ではないはずです。
ソフト開発の経費は、できるものならどこの企業だって抑えたいものです。
携帯モードとTVモードで挙動を変える手間はあるものの、現在Switchはソフト開発が比較的しやすいハードと言われています。
これはかなりゲーム機の売り上げを左右する要素で、本家の任天堂はもちろん多くのソフトを供給してくれるでしょうが、サードパーティ製のタイトルの量はそれ以上に大切だと思います。
ソフト開発のしにくさで苦戦した例としては、PS3やWiiUなどがあります。
それぞれハードが独自の設計だったために、同系列の他のハードに比べるとソフトの供給が少なくなってしまったと言われています。
そこでSwitchPROが発売されるとどうなるのかですが、もしSwitchPROが現行の標準Switchのように携帯モードとTVモードで使い分けられる設計だった場合、ソフト開発側に要求される設定は、現行機とSwitchPROの、それぞれ携帯・TVモードが必要なので合計4種類ものパフォーマンス設定することが求められます。
僕の個人的意見ですが、スマホやPCではなく家庭用ゲーム機でゲームを開発する一番のメリットは、同一のハードにおけるパフォーマンスのみを考えてソフトを開発できる点だと思います。
スマホやPCは最先端のものはハイエンドですが、一般に普及しているものは基本的に何年も前の型落ちですし、格安スマホはあえてスペックを低くすることで値段を抑え販売しています。
特にスマホゲームの場合、より多くの人にプレイしてもらうためには、GPUやCPUへの負荷が軽いアプリでなければいけません。型落ちスペックのスマホでまともに動かないと困るからです。
なので、いくら時代の最先端のハイエンドスマホが登場しても、その機能をフルに使ったゲームはなかなか開発されないでしょう。
PCの場合はおそらく何段階ものグラフィック設定があり選択式になっているとは思いますが、それらの設定を作成するのもたやすいことではないでしょう。
ところが家庭用ゲーム機では消費者が皆同じスペックのゲーム機を持っているので、いちいち個人の持つハードのスペックを考慮してグラフィックなどの設定をいくつも作成する必要は無いですし、ハードの持つパフォーマンスを最大限生かしたソフトを開発することができます。
と、以上が家庭用ゲーム機でソフトを開発するメリットなのですが、もしSwitchPROが発売されたとすると、ソフト開発者は先述の通り最大4つのモードに適したパフォーマンス設定をする必要が出てきます。
これではせっかくの家庭用ゲーム機でのソフト開発のしやすさが損なわれてしまい、ソフトの供給量・品質が低下してしまうのではないかと危惧しています。
突き詰めればソフトの完全版商法のようなもの
極端に言ってしまえば、上位互換機を出すのは昨今スクエニ製ソフトなどに注目されるような完全版商法のようなものだと思っています。最近ではドラクエ11シリーズが話題となりました。
まあ完全版商法が悪なのかどうかはちょっと分からないですけどね。
ただ、やっぱり誰だって同じゲームをより綺麗な画面でプレイしたいと思うはずですし、ソフトならまだしもハードが随時更新されるというのはあまりいい気はしません。
完全な次世代機が発表されるのは時間の問題ですし、そもそも遊べるソフトが違うので、現行機を買ううえでそこまで問題にはならないと思いますが、中途半端な上位互換機の発売というのはそれまでに購入したユーザーを切り捨てているように感じます。
任天堂のゲーム機に何を求めるのか
DSの時代からそうですが、任天堂はハードのGPUなどの性能が売りなわけではありません。
確かにいつも時代のギリギリ許容できる際どいラインの性能のゲーム機が多く、発売直後ならともかく後半戦ではどうしても性能が足を引っ張りがちなのは否めないかもしれません。
それは3DSでも感じていました。
でもいつもそれをデメリットに感じさせないくらい楽しいゲームソフトがたくさんありました。
PS5はそれはそれで綺麗な画質のゲームに感動しつつ楽しませてもらっていますが、SwitchはSwitchで、画質じゃないゲーム性の楽しさを追求するハードとしていい棲み分けだと思っています。
もし今任天堂まで他社の画質競争の波に乗ってしまったら、ゲームシステム自体の楽しさより、画質にばかり労力が割かれるゲームばかりになって、見た目の技術は進んでも中身の進歩が少なくなってしまいそうです。
ゼルダの伝説ブレスオブザワイルドでは、確かにPS5の大作ゲームには見劣りするグラフィックかもしれませんが(筆者には十分綺麗ですが)、その画期的なゲームシステムは後のゲームに大きな影響を与えましたし、独特な水彩画のようなアニメ調のグラフィックは後のソフトにもパクられてオマージュされています。
確かに性能はPSなどと比べたら大したものではないかもしれませんが、そんな中、よく考えられて作られたソフトは画質が低くても楽しいものです。
よくPSシリーズのライバルとしてXBOXシリーズがあげられますが、結局素人の目からしたらそれら2つのマシンのスペックは誤差にしか見えないと思います(切磋琢磨してお互い高めあっているのは凄く良いと思いますが)。
結局ソフトが問題なく両方の機種で動くようにサードパーティの開発者は考えると思いますし、そういう意味でPSとXBOXでのゲーム体験に大きな違いはないんじゃないかと思います。
そんな中、Switchではその性能の低さも相まって(?)Switch独占のソフトというものが多いように感じるので、PSやXBOXと良い差別化ができています。
任天堂はソフトの面白さを牽引するものとして、ハードの性能を牽引するその他勢力とある意味良いライバル関係になれている気がします。
その他思うこと
昨今のテレビは大型化していますし、リビングの大きなモニターでゲームをする人には、フルHD やそれ以下の解像度のソフトも多い現行Switchでは物足りないという人が一定数いるのは事実だと思います。
でも任天堂が4Kに対応するのは次世代機からだと予想しています。
そしてSwitchPROなる上位互換機は発売されないのではないかと思います。以下その理由です。
発売から4年が経過している
Switchは2017年3月3日発売ということで、すでに発売から4年以上経過しています。
New3DSは3DS発売から3年と7か月後に発売、PS4PROはPS4発売から3年後に発売されています。
任天堂のハードは5,6年で次世代機へと移行しますが、Switchは長期に運営すると公式からも発表があるのでおそらく7~8年くらいの寿命だと思います。
とはいってもさすがに遅くないですか?
任天堂はソニーに比べてハードの入れ替えが早いので、なおさら今後上位互換機を発表・発売するのは遅く感じます(スイッチに限ってはライフサイクルが長くなりそうなので微妙な所ですが)。
供給が足りない
転売という言葉を昨年からよく聞くようになりましたが、マスクに次ぐ転売被害にあったのがSwitchではないかと思います。そしてそれは今も続いています。残念なことですが、近所の電気屋に標準のSwitchはありません。
7000万台以上を売り上げているSwitchですが、本当に欲しい人の手に行き届いている状況ではありません。現行機すらこんなに長い品薄が続いているのに、その上位互換機を十分な作り溜めなしに売り出したら、それはもう完全な次世代機が出るまで、転売などの被害から全く手に入らない状況が続くんじゃないかと思います。
改善してほしいことはある
筆者個人の意見としては、GPU性能などを上げた上位互換機を出すメリットは薄いと思います。
が、現行機から改善してほしいことはあります。
それは、ジョイコンの壊れやすさです。
巷では話題になっていますが、どうもスティックの部分が脆いようです。
個人的にLRなどのボタンもなんか押し心地が貧弱ですぐ壊れそうです。
壊れそうで怖くて使えないので仕方なく安い海外製品を使っています。
もう少し何とかなりませんかね。
スティックは3DSと同じようにスライドパッドにしておいた方が壊れにくかったんじゃないかと思います。
あと値段も高すぎます。
コントローラーはできれば純正品を使いたいのですが、純正のジョイコンもプロコンも高すぎます。
色んな機能をつけたせいで、手の届きにくい値段かつ壊れやすいならば、Wiiのクラシックコントローラーみたいにシンプル設計で良いので安くて壊れにくいコントローラーを純正品にしてほしかったところです。
あと細かい話になりますが、筆者は携帯ゲーム機には毎回画面の保護フィルムと保護ケースを付けるようにしています。
Switchにも当然付けようと思って同時に購入したのですが、なんとドックに入りません。
ちゃんとドック対応を謳っている商品を買ったのに。
どちらか一つなら大丈夫なんですが、両方付けると入りません。
普通にショックでした。
仕方ないので保護ケースは外して使っています。
改良型のドックを開発するなら是非ゆとりのある設計にしていただきたいです。
まとめ
個人的意見としては、何か新しい商品を出すなら壊れにくいジョイコンなどの付属品などに留めていただきたいです。
新しく性能が上がった本体を売られるのはあまりいい気はしません。
保証は全くしませんが、筆者はSwitchPROの情報は嘘だと思っています。
今後の次世代機の設計図が漏出したなら分かりますが、SwitchPROを世に出すメリットは少ない気がします。
まあ、出ないでくれっていう筆者の希望的観測です。
当ブログでは他にも筆者が実際にプレイしたソフトのレビューやゲームのコラム、その他雑記なども掲載しているので、興味がある方はご覧いただけるとお役に立てるかもしれません。
本記事をお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m
2021/7/10追記
先日、2021/7/8に、新型Switchが10月に発売されることが発表されました。任天堂らしく直前の発表でした。
結局筆者の予想(希望的観測)は外れて発売が決定されてしまいましたが、今回の新型は従来のような大幅な性能アップではありませんでした。
従来の2機種に並行してバリエーションの一つとして加えられることとなりました。
主な変更点は公式のHPに詳細がありますが、テーブルモードで使用している方々に最も恩恵がある形になったと思います。
より大きく美しくなった本体付属の画面に加え、従来の貧弱な背面スタンドが角度調節可能で大きなものに変更されました。
加えて音質も向上しました。
以上から、恩恵が大きいのはテーブルモードを普段から使用する人、あとは本来のコンセプト通りにTV、テーブル、携帯モードを臨機応変に切り替えて使う人ではないかと思います。
一方、ほとんどTVモードしか使わない人や、Switchライトのユーザーからすると、買い替えの必要性は薄い結果となりました。
今回の新型Switchは従来のノーマルSwitchより若干重いので、軽量さや持ち運び安さが売りのSwitchライトとは趣旨が違いますし(画質や音質向上の恩恵はある)、TVモードの新型とノーマルSwitchの差は有線LANが直接繋げられるようになったくらいです。
全体的に見て、任天堂はいい落としどころに決めたと思います。
下手に根本的なCPUやGPUの性能を上げていたら、最近購入したユーザーからは不満があったと思います。
実際筆者も以前の買い物にあまり後悔せずに済んだので、この判断はありがたかったです。
ゲームに際限なくお金をつぎ込めるお金持ちな方や紹介動画・記事をアップして儲けている方々なら変化の少なさに文句もあるかもしれませんが、任天堂ハードの購買層はもっとカジュアルな人の方が多いと思うので、一度購入した層を後悔させないためにもこのくらいの変化に留めたのは正解だったと思います。
しかし、一つ疑問も残ります。
そもそも今回、新機種をわざわざ発売する必要があったのか?ということです。
勝手な推測ですが、今回この新型Switchを発売したのは実験的な意味合いがあったのかなと思います。
一つは、有機EL画面の需要と性能について。
ここが今回のメインの変更点となっていますが、任天堂のゲーム機では初めての有機EL採用です。
どれくらい受けがいいのか、また実際に今回採用したものが今後のゲーム画面で使っていけるものなのか測るため。
二つ目は、消費者がどんな価格なら購入するのかを知るため。
今回の新型Switchは税込みで3万8000円と、任天堂にしてはかなり強気な価格設定です。
その価格に対する消費者の反応を見て、今後のハード開発の参考にしたいのかなと、個人的に思っています。
決してゲーム機は安くないので、消費者のゲーム機に対する需要や価値観を測りたいのだと勝手に思っています。
実験的な意味合いがあるというのは筆者のただの個人的な推測に過ぎませんが、そうでも考えないと今新型を売り出す理由が見つかりません。
そもそも今現在のラインナップで品切れ続出なほど飛ぶように売れているのに、なんであえて新型を売り出したのでしょう。
もしかしたら公式サイトなどで開発秘話や裏話が今後紹介されるかもしれないので、楽しみに待っていようと思います。
最後に、本文の中でも記載しましたが、今回新しいラインナップの供給はどうなるのでしょうか。
個人的に相当長い間品薄になるのではと思っています。
ただでさえ今もまだまともに買えない地域もありますし、ここで新商品が出たらさらに品薄が加速しそうです。
転売ヤーも大暴れするのが目に見えています。
そこのところの任天堂の対応も見どころですね。
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